仕事への準備性
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2021年11月10日
就労するために就労を希望する場合、その時点での自分自身の『就労準備性(職業生活を送るための準備)』がどの程度なのかを「知る」ことからはじめましょう。
1.就労準備性とは
『就労準備性』とは、働くことについての理解・生活習慣・作業遂行能力や対人関係のスキルなど基礎的な能力のことです。職種、障害の有無を問わず、働く上で必要とされます。
働く、働き続けるためには、「健康管理」「日常生活管理」「対人スキル」「基本的労働習慣」「職業適性」の5つの事柄に対する能力が必要となります。
まず、自分がしっかりできている部分と、不十分な部分を知ることが大切で、不十分なところがわかれば、勉強をしてみる、意識してみる、訓練を積むなど『就労準備性』を高めていくことに繋げてみましょう。
図1は「就労準備性ピラミッド」と呼ばれているもので、障害の有無に関わらず、人が就業する上で必要とされる5項目を、その優先順位で並べています。この図は、仮に適性のある職業に就いたとしても、どんなに作業能力が高くても、ピラミッドの底辺から順にしっかりと備わっていないと働き続けることは難しいということを表しています。
5項目のどこが不十分なのかは、皆さんのこれまでの経験により様々で、見直さなければならない力点も異なります。しかし、5項目の順序が大きく入れ変わることはありません。
Ⅱ 健康管理
ここで説明する健康管理とは、自身の障害についての正しい理解と日常生活を維持することを言います。健康管理不十分により長期入院となり、その結果として休職や離職につながる例も少なからずあります。
元の就職先に戻るにも、新たに就労するにも、日々の健康管理による体調の維持が必要です。
Ⅲ 日常生活管理
1.規則正しい生活
やむを得ず夜更かしをしてしまうことは誰にでもあることです。
しかし、頻繁な遅刻や欠勤に繋がったり、職場でボーっとしている状態などが続くようでは,仮に職業適性が高くても、働き続けることは難しいと考えられます。
睡眠不足の生活を続けることで体調を崩してしまうことにもなるでしょう。
日頃から、規則正しい生活習慣を心がけましょう。
Ⅳ 対人スキル
地域生活をはじめ、職場においても対人関係は重要です。
職場では、上下関係や「苦手だ」「合わない」からといって“逃げることの出来ない”人間関係が発生します。
また、地域生活の場面でも自分の障害についての説明や援助依頼、環境調整等についての支援要請をしなければならない場面に遭遇することが少なからずあります。
お互いが不快になることなく、意思疎通を図ることができるようなコミュニケーション能力が必要となってきます。
Ⅴ 基本的労働習慣
障害の有無を問わず、社会人として仕事をするためには、ビジネスマナーの基礎知識や、報告、連絡、相談などの基本的労働習慣を身につける必要があります。
Ⅵ.職業適性
「職業適性」とは業務を行うために必要な能力を指します。仕事の内容により求められる能力は異なりますが、例えば、地域障害者職業センターで職業評価を受けると、”あなたの仕事のレベルが今どのくらいなのか”、”どんな仕事に向いているか”などのアドバイスがもらえます。詳細は『Ⅸ 相談できる機関』を参照してください。
出典:別府重度障害者センター 在宅生活ハンドブック